講師略歴・講演概略 (講演順、敬称略)
藤田 光寛(フジタ コウカン)
プロフィール
1948年和歌山県生まれ。
高野山大学学長。
東北大学大学院文学研究科博士後期課程印度学仏教史学専攻修了。文学博士。
専門分野は、インド・チベット仏教学。高野山大円寺住職。
講演タイトル
仏教思想にみる他者への思いやり
講演内容
仏教・密教思想にみられる慈悲(いつくしみ・思いやり)の思想をその具体例をあげて解説し、この慈悲の教えを各自の生活の中において生かすことによる「絆」の深まりを考えたい。
柏木 哲夫(カシワギ テツオ)
プロフィール
1939年兵庫県生まれ。
大阪大学医学部卒。同大精神科に勤務後、ワシントン大学に留学、アメリカ精神医学を学ぶ。帰国後、淀川キリスト教病院に日本ではじめてのホスピスプログラムをスタート。大阪大学人間科学部教授を経て、金城学院大学学長。
講演タイトル
死の臨床 ― 新たな課題と展望 ―
講演内容
1977年に発足した、日本死の臨床研究会の目的は「患者や家族に対する真の援助を全人的立場より研究していくこと」である。死の臨床の原点、現在の課題、将来展望について述べる。
島薗 進(シマゾノ ススム)
プロフィール
1948年東京都生まれ。
現在、東京大学大学院人文社会系研究科・教授。専攻は宗教学、 近代日本宗教史、死生学。著書に『スピリチュアリティの興隆』(岩波新書)、『精神世界のゆくえ』(秋山書店)、『宗教学の名著30』(筑摩新書)、『国家神道と日本人』(岩波新書)など。
講演タイトル
死生学と悲しみから生まれる力
講演内容
悲しみは愛と不可分のものであり、愛に由来する傷みであるとすれば、悲しみを通して愛は深く豊かになり、生きる力を生み出していくのは当然かもしれない。宗教はそのようにして悲しみから生まれる力を育ててきた。日本の宗教史を流れる悲しみのトーンは、また悲しみによって鍛えられた生きる力の現れでもある。
辻 雅榮(ツジ ガエイ)
プロフィール
1960年和歌山県生まれ。
真言行者。石川県金沢市宝泉寺住職。高野山足湯隊代表。能登半島地震・佐用豪雨の被災地や高齢者施設で足湯による傾聴ボランティアを実施。仏足頂礼、おかげさまで足湯1,000人。現在、宮城県南三陸町で汗を流しています。
講演タイトル
仏足頂礼 高野山足湯隊 ― 被災地における傾聴ボランティア ―
講演内容
被災地域の人々とふれあう中で、お話を聴き、災害のもたらした心理的苦痛に共感するというケアが知らず知らずのうちに身についてきました。それが足湯による傾聴ボランティアです。現場で医療者とセラピストと宗教者らが、力を合わせて足湯をする意義と、それがもたらす可能性についてご一緒に考えたいと思います。
岡部 健(オカベ タケシ)
プロフィール
1950年栃木県生まれ。
在宅緩和ケア専門。1997年4月宮城県名取市で岡部医院開業。医療法人社団爽秋会を開設、チームケアで癌患者を2,000例以上在宅で看取る。
講演タイトル
人みな被災者 ― 深層の宗教心に触れて ―
講演内容
今回の震災で当院も津波で一人の看護婦を失った。受け止め難い事実を受け止める為に、宗教儀礼が如何に重要かを身を持って体験した。今回、津波で溺死された被災者に対し医療者は無力であった。医療行為の前に死があった。遺族ケアーを含め宗教者の役割が大きいものと痛感した。
シンポジウム「危機の時代に問われる日本人の価値観、死生観」
このシンポジウムは、講演された演者がそれぞれの講演の内容をめぐって、より深く掘り下げた議論を行い、危機の時代をいかに生き、いかに支え合うかという課題への思索を成熟させようとするものです。会場の参加者の方々も、一緒になって死生観を見つめ直して頂ければと思います。
司会
柳田 邦男(ヤナギダ クニオ)
プロフィール
1936年、栃木県生まれ。
ノンフィクション作家、評論家として現代人の「いのちの危機」「心の危機」をテーマに、様々な社会問題に取り組んでいる。『マッハの恐怖』で大宅壮一ノンフィクション賞、『ガン回廊の朝』で講談社ノンフィクション賞。ノンフィクション・ジャンルの確立への貢献と「犠牲 わが息子・脳死の11日」で菊池寛賞受賞。
司会
山折 哲雄(ヤマオリ テツオ)
プロフィール
1931年生まれ。
岩手県出身。東北大学印度哲学科卒業。国際日本文化研究センター名誉教授。宗教学。
パネリスト
岡部健
島薗進
辻雅榮
藤田光寛
井上 ウィマラ(イノウエ ウィマラ)
プロフィール
1959年山梨県生まれ。
京都大学で宗教哲学を専攻中退。日本の曹洞宗、ビルマのテーラワーダ仏教で出家して経典研究と瞑想修行に励む。カナダ、イギリス、アメリカで瞑想指導をしながら心理療法を学ぶ。現在は高野山大学でスピリチュアルケアについて研究している。
タイトル
絆をつなぐ瞑想的エクササイズ
内容
仏教瞑想は西洋に伝わってマインドフルネス瞑想と呼ばれるようになり、多くの分野に応用されています。今回は、呼吸を感じることを中心として、非言語的なコミュニケーションを担っている息遣いに注意を向けながら、人と人の間での響き合いや絆をつなぐことを実感できるような瞑想的エクササイズを紹介したいと思います。
森崎 雅好(モリサキ マサヨシ)
プロフィール
1972年兵庫県生まれ。
高野山真言宗僧侶・臨床心理士。専門は、思春期・青年期臨床、ひきこもり支援、自死遺族支援など。また、和歌山県白浜町三段壁にて、自殺防止・保護活動に参加している。
タイトル
命と心と体のつながり…主体性を観じる ― 臨床動作法の視点から ―
内容
死を「自ら動かないこと」と定義するなら、生とは、「自ら動くこと(主体性)」と言えます。そして私たちは、死ぬまで「命」あるものとして、自らの「心」と「体」を使って“動き”続けます。この動くことが、生きていることの証でもあります。本ワークショップでは、この「動き」に立ち返って、自身が「心」と「体」を協働させている「命存在」であること改めて体観していただきたいと思います。

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高野山大学 いのちのセミナー